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古厩忠夫『裏日本―近代日本を問いなおす―』<岩波新書 1997年 ISBN:4004305225
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日本の近代化の歴史を「裏日本」ということばをキーワードにとらえ直そうとした力作である。中央集権的な経済効率のあくなき追及と「裏日本」という観念の生成がパラレルに生じてきたとの発想は,システム論にみられる「中央―半周辺―周辺」というヒエラルキーの生成とダブる。実際,筆者は「裏日本」=「半周辺」という位置づけをおこなったと言い得る。 従来から「中央―地方」という軸での分析はなされてきたが,「表―裏」という分析軸の追及はあまりなされてこなかったように思う。その意味でも,貴重でありかつ重要な問題提起がなされていると感じられる。 筆者は,近年の環日本海圏構想のなかにかつての「大東亜共栄圏」的発想につながる危険性を認めつつも,巻町での原発反対運動などを事例に新たなネットワーク形成の萌芽を感じ取っているようである。筆者はガンに侵されつつもこの本を著した。その意志の力の強さが行間からにじみ出ている。
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