最終更新日:04.04.04
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蓮實重彦・山内昌之『われわれはどんな時代を生きているか』講談社現代新書 1998年 ISBN:4061494007

(c)講談社
 講談社のPR雑誌『本』に連載されていた蓮實、山内両氏のリレーエッセイ「二つの世紀の間で」をまとめたものが本書である。「二つの世紀」はもちろん20世紀と21世紀のことであるが、話はそれにとどまらない。10世紀と11世紀のコスモポリタン都市コルドバが、20世紀の「首都」と呼ぶべきロサンゼルスに対比され、亡命・転向・模倣・反復・・・をめぐっての両氏の「知的」会話の興味は尽きるところがない。

 山内は、内藤湖南が五大史書として挙げる歴史書のうち伊達千広(陸奥宗光の父)がものした『大勢三転考』の卓抜した史論を評価しつつ、時代の危機意識がすぐれた歴史を書かせたと述べる。

 蓮實はいずれ1936年をめぐって共同研究をおこないたいと言う。日本史上、1936年は「二・二六事件」の起こった年だとわれわれは記憶している(暗記させられている)が、同時に1936年は社会大衆党が「改革」を唱え、大勝利した年でもあるという。

 いずれも「歴史」にとって「ノイズ」として捨て去られたものである。しかしそこにこそ、「われわれがどんな時代に生きているか」のヒントが存在しているのである。


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