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小笠原祐子『OLたちの〈レジスタンス〉―サラリーマンとOLのパワーゲーム―』中公新書 1998年 ISBN:4121014014
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先進諸国の中で日本ほど女性の職業的地位の低い国はない。しかし,地位の低いはずの女性達が「団結」して男性優位の社会構造を覆そうとする動きは目立ってない。 著者は,この疑問に対する従来の(そして現在でも有力な)説明である3説,1)伝統的価値観に縛られている 2)女性は別の価値観を見いだしており職場で戦う必要がない 3)「女性の敵は女性である」を,いずれも女性の側に原因の根本を求めるという点で共通しているとみなし,それを批判する。つまり,企業内における女性一般職(OL)の置かれている社内外の構造的かつ,あい矛盾する複数の要因にあると指摘している。 筆者は,にもかかわらず女性の立場は決して弱くない,むしろ弱者の立場を逆手にとって抵抗を試みていることを,聴き取り調査によって検証する。本書の第二章〜第五章では,ゴシップやバレンタインデーというミクロな人間関係のストラテジーが日本企業の組織内でいかに有効に作用しているかが論じられている。一見,瑣末な事項に見られがちな会社内の行事を取り上げて,ここまで分析しているのはなかなかのものである。 さらに最後にそうした「抵抗」の戦略が,伝統的な社会的性別役割(ジェンダー)に依拠するものであり,抵抗すればするほどジェンダー・トラップに陥っていく危険性が指摘されている。
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