最終更新日:04.04.04
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二木謙一『徳川家康』ちくま新書 1998年 ISBN:4480057390

(c)筑摩書房
 大河ドラマのせいだろうか。ちょっとした徳川ブームである。徳川慶喜はもちろん、徳川による治世に関するさまざまな書籍が店頭には並んでいる。時代が混沌としているとき、人々は歴史にそれを突破する叡知を求めようとするのだろう。とくに類い稀なリーダーシップを発揮した戦国乱世の英雄達の処世術に注目が集まる。

 歴史を学ぶ者の端くれとして、それ自体はよろこばしい(?)ことである。しかし、ステレオ・タイプの英雄像が繰り返し語られるのは、かえって害があるのかもしれない。

 この本は小著ながら、家康の「公的な」業績について、冷静にかつ非常に的確にまとめられているように思う。いわゆる「偉人伝」ではなく、為政者としての家康の立場や判断、そして行動が分析されている。もちろん、お約束のエピソードも随所に挿入されているのだが、バランスを失するほどではない。

 山岡荘八の『徳川家康』や隆慶一郎の『影武者・徳川家康』『捨て童子・松平忠輝』などのエンターティメントを楽しんだ後、二木著の『徳川家康』で“お勉強”するのも一興かと思う。


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