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西谷能英『出版のためのテキスト実践技法[執筆篇]』未來社 2001年 ISBN:4624000218
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この本は,未來社で編集の仕事に長く携わってきた著者によるきわめて実践的なマニュアル本である。1月に[編集篇]が刊行され完結したのだが,ここではおもに「書く側」に立って書かれた[執筆篇]を中心に紹介したい。 著者のメッセージはきわめて簡潔で具体的,そして非常に「役に立つ」ものである。そして,同人誌レベルのものから商業出版に至るまで電子的な原稿を扱う人,これから扱おうとする人,あるいは学校教育の現場においても各種の原稿を電子入稿しなければならない人,そうした印刷物を「編集」しようとする人は,必ず読んでおくべき一冊である。 著者は,「どれほど精緻に作り上げた原稿でも,残念ながらそのまま版下にできるものはまず絶対的にない」と断言する。したがって,原稿をプリントアウトしたときの“美しさ”に拘泥するいとまがあれば,文章内容の推敲にもっともっと時間をかけるべきだと言う。きわめてまっとうで反論の余地のない正論である。 しかし,実際に編集作業に携わったことのある人ならば誰しもが感じるように,プレーンなテキストで原稿をもらえることのほうが少ないのが現実である。悪原稿のきわめつけは,ワードなどのソフトを使いこなした,いかにもそのまま版下に「できそうな」原稿であるという逆説を,原稿を書く人はきちんと認識しておいたほうが良い。本書[執筆篇]第3章だけでも読めば,「テキスト入力」のノウハウは簡単に身に付くのであるから,ぜひとも実践していただきたいものである。また「テキスト入力」にすでに慣れている読者も,あらためて気づかされるTIPS が満載であることを付け加えておきたい。
『コンピュータ&エデュケーション』vol.12,2002年,掲載
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