最終更新日:04.04.04
[← NAKAMURA Muneyoshi Lab. Top Page]
[← index]

五百旗頭真『20世紀の日本3 占領期―首相たちの新日本―』読売新聞社 1997年 ISBN:4643970030

(c)読売新聞社
 読売新聞社の企画シリーズ「20世紀の日本」全12巻の最終回配本。

 北岡伸一氏の第1巻「自民党」以下,どれも個性派研究者の単独執筆になるこの講座は,それだけでなかなか異色なのだが,切り口も「植民地」「知識人」「群衆」など,面白くかつ興味深い。

 この「占領期」も占領期の研究の第一人者である著者が,東久邇稔彦,幣原喜重郎,吉田茂,片山哲,芦田均,そして再び吉田茂,と戦後の歴代内閣の「首相」というところに焦点を絞って描き込んでいったところにこの本の魅力がありそうである。(吉田や幣原を別にすれば,かつてはあまり注目されてこなかった東久邇,片山,芦田各首相の苦悩とその決断,限界などが非常にドラマチックに叙述されている。)

 ドラマチックなのは,もちろん個人の資質よりも,時代がそうさせたのだということになろうが,「戦後」批判がかまびすしい昨今,「戦後」の原点をこのような着実な研究成果の平明な叙述によって吸収できることを,門外漢の私などは非常に喜ばしく思う。


Amazon.co.jp から注文

© 2004 NAKAMURA Muneyoshi. All rights reserved.