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高橋敏『家族と子供の江戸時代―躾と消費からみる―』朝日新聞社 1997年 ISBN:4022571306
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いささか暗い話題で恐縮だが,子供の躾け,というとやはり「神戸小六児童殺害事件」を思い出さざるを得ない。まだ逮捕された中三の少年が犯人だと決まったわけではないが(*1997年執筆時点),もしそうだとすると,やはりこれは単にその子供の性格の問題を超えて,「社会」の側に引き受けねばならない問題があるという疑念は捨てきれないのである。 高橋氏も「序章」において,現代の社会が「あるべき大人」像を見失ったという点に,現代の子供のさまざまな病理が現れているのではないかと指摘し,学校教育では伝えられない「無文字教育」「社会共同の教育」のあり方を歴史に探ろうとしている。 こう書くと,いかにも説教っぽい内容を想像されてしまうかもしれないが,内容は実に豊富で生き生きと江戸時代の町人文化を描き,われわれに失われていたものを思い出させてくれる。桐生・吉田家の娘の父親にあてた手紙や,草津温泉で行き倒れになった長浜村勘助の事例など,感動すら禁じえない。是非お勧めしたい1冊である(残念ながら現在品切れ中)。
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