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相変わらず「成人の日」には、各地での式典ネタが新聞紙上を賑わしている。
とくに若者のマナーが問題にされることが多い昨今だが、一昔前はそんなでもなかった気がして、朝日新聞のデータベース(1984年以降)をちょっと調べてみた。
1985年頃の朝日新聞では、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われた当時の世相を反映してか、豪華な晴れ着に対する批判が多い。晴れ着の替わりにもっと有意義なことにお金を使おうよ、ということを言外に示唆するコラムなども見られる。
マナーに関する初出は、管見の限りでは、1988年の「声」欄に載った下記の投稿。二十歳の学生さんからのものだ。
常識を忘れた新成人は残念
先日成人式を迎えた。期末試験を直後に控えてはいたが、自分の1つのけじめとして式に出席した。そこで私は信じられない光景に出合った。
(中略)
市長や教育長らの話は全く聞こえない。同じ新成人としてあまりのひどさにいたたまれず、意を決して立ち上がった。一番にぎやかに会話を楽しんでいる振りそでの群れの方にむかい「すみませんが、もう少し静かにしていただけませんか」と声をかけた。心臓がドキドキと早鐘を打っていた。一瞬静かになったように見えたが、そんな私の一言もまた、会場のざわめきの中に消えてしまった。(後略)
こうした投書が「声」欄に出ること自体、まだ成人式の日のマナー問題が今ほど騒がれていなかった反映であろう。
これが1994年には、宮城県版に「各地で成人式 式典も曲がり角に 仙台では講師が注意の一幕も」との記事が見いだされる。注意したのが稲川淳二氏というのがちょっとおかしい。
講演したタレント・稲川淳二さんは、会場の騒がしさと出入りの激しさに不愉快そうな顔。「しゃべらないでっ、一番前の席」と、壇上から注意する一幕もあった。「お説教してごめん、でもマナーは守ってくれ」と諭すと、ようやく会場は静かになった。稲川さんは、講演の中で「二十歳なら周囲から可愛がられる。本当の挫折は二十五歳ごろに来ます」などと話した。(後略)
地方版のベタ記事とはいえ、講師が注意したことが記事になっている。
もちろん記事になる以前からこういうことは、ちょこちょこ起こっていたはずだが、どうやら1990年代半ば当たりから成人式式典が「荒れ」だした感じである。
そう言えば、昨日の日経新聞には三木清の「学生の知能低下について」という昭和10年代の論説が引用されていた。ごく短い論説だが、面白いものなので、オススメしておきたい。「日経」の記事は復刻版からの引用だったので、わざわざ当時の雑誌を図書館で探さなくとも比較的気軽に読める形になっているようだ。
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