最終更新日:03.03.05
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大教室のMONOLOGUE
3月5日(水)

   餞別

 伯父(父の兄)から餞別をもらった。

 伯父は、昔、農林水産省の役人としてベルギーに2年ほど駐在していたことがある。

 その伯父が送ってくれた餞別と一緒に手紙が添えてあったのだが、中に河上肇の『西欧紀行 祖国を顧みて』(岩波文庫)の一文が引いてあった。

「大正二年十月著者日本を出でて、西欧の間に遊ぶこと一歳、大正四年二月帰朝す。」

 この短い一文に示された期間、河上は第一次大戦に遭遇し、その後、イギリスのロンドンとその郊外で暮らしたと言う。一年余りの短い期間でも河上にとっては非常に長い一年であったことだろう。


 小さい時は、その伯父を「ベルギーのおじちゃん」ということで認識していたので、随分外国暮らしが長いような錯覚をしていたのだが、この前の法事の時にその話題に触れると、「2年間しか行っていないんだよ」ということだった。

 母の妹の旦那、つまり叔父さんも仕事でカンボジアに行っていたことがあったのだが、1970年にカンボジア内戦が勃発し、日本に帰国した。このときも随分長いこと向こうに行っていた気がしたのだが、あとで聞くと、半年しか行っていなかったとのことだった。


 「外国での1年の生活は、日本での10年分に匹敵するよ」と、先日もどなたからか伺ったばかり。行ってみないことにはなかなか実感できないが、そういうものかもしれない。

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