最終更新日:04.01.15 (UTC)

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4 Gennaio(Domenica)
ピアッツァ・アルメリーナ〜ノート〜シラクーサ


1月4日

 ホテル・ルナの朝食は,四つ星ホテルということもあってイタリア人以外の外国人客も意識しているのだろう。クロワッサン,果物,コーヒーなどの飲み物に加え,ヨーグルト,チーズ,サラミなどがあった。

 チェックアウトしてホテルを出発。この日もロングドライブになる。これまで主に海岸線を走ってたが,内陸に入り,ピアッツア・アルメリーナ近くの,ローマ時代の美しいモザイクの残るビッラ・ロマーナ・デル・カザーレに向かう。内陸で道に迷わないかと心配しており,案の定地図上でどこを走っているか見失ってしまったのだが,要所要所に方向を示す標識が出ておりその通り走っていったら正午前に無事遺跡に着くことができた。天気はぱっとせず小雨がぱらついてくる。ビッラ・ロマーナ・デル・カザーレは,ローマ時代の別荘だが,誰の別荘かは諸説あるとのこと。私たちが土産物店で買ったガイドブック(日本語バージョン)によると,マクシミアヌス・エレクレオス帝の狩の宮殿として紀元3世紀から4世紀に建てられたとのこと。

 敷地3500平方メートルの宮殿の各部屋にそれぞれ異なる模様のモザイク画が敷き詰められており,現在はその上に透明な屋根と壁をかけて保護し,観光客は雨の日も濡れずにモザイクを見学することができる。

 モザイクは,質とともにその量に圧倒される。題材は果物,狩りの場,神話に題材をとったもの,幾何学模様,体操する少女の図など多岐にわたる。特に動物たちを躍動的に描く表現力には驚かされた。

 また,現地で売られているガイドブックにはそれぞれの絵の詳しい説明が記されている。10ユーロ(1300〜1400円)ほど。「偉大なる狩りの廊下」は,ローマ帝国の広大な領土を示すがごとく,左手の半円形の部分にはインドの女性,右側の半円形にはアフリカの女性が描かれている。廊下部分には狩りや船に積み込む場面などさまざまなエピソードが描かれている。特に面白かったのは「ユリシースとポリュペモスの控えの間」のモザイク。ホメロスのオデュッセア第九巻の,ユリシースとエトナ山中に住む巨人・ポリュペモスの物語を描いたものである。ポリュペモスは一つ目の巨人としてよく描かれるがもともとは三つ目の伝説だったとのことで,ここでは三つ目に描かれている。目はエトナ山の河口のシンボルだとか。日本語のガイドブックに感謝。ほかに,「シチリア料理」のレシピの日本語バージョンも購入。帰ってから挑戦してみようと思う。

モザイク床 巨人ポリュペモス

「愛の交歓の間」の大らかなモザイク

左 モザイク床 巨人ポリュペモス
右 「愛の交歓の間」の大らかなモザイク

 売店の一画のバールでパニーニを食べ腹ごしらえしたあと出発進行。ピアッツァ・アルメリーナも見どころの多い町だということだが,我々はこの遺跡だけで次の目的地ノートに向かう。内陸部の最短コースをとろうかおうとも考えたのだが,わかりやすい道を行きたいということで,海沿いのゲラまで出て高速に乗ることにした。ところが,高速道路は2005年の完成であることが判明。ちょっと失敗。

 かなり遠回りしながら,3時ごろノートに到着。ノートは,数々のバロック様式の建築の残る美しい町で,世界遺産にも指定されている。その理由はこの一帯が1693年の大地震で崩壊し,ノートの町が以前あった場所から現在の地点に移されたとき,町の主要な建物が一斉にバロック様式で再建されたためだ。先に書いた陣内先生によると,ノートの町は斜面に造られているため,斜面を登りながら見上げるバロック建築は他のバロックの町に比べても極めて演劇的で心ゆさぶられる都市景観を創りだしているとのこと。またノートはイタリア料理教室のロザリアとアンドレアーナに薦められ,パレルモのジョルジオも「重要」と言っていた。期待に胸を躍らせていよいよ町に足を踏み入れる。

 ところが実は,ちょっと残念な結果が待っていた。陣内氏の本で町を象徴するカテドラルの正面右手の塔が修復中,ということは知っていたが,訪れてみると大規模修復中で,全面にカテドラルの写真をプリントした幕がかけられていた。その他,あちこちで工事が行われており,多くの建物は足場やベニア板,幕で覆われていた。工事や時間の関係もあるだろうが,教会内部にもほとんど入ることができなかった。お正月ということもあるのだろう。閉めている店も多く,ガイドブックや観光マップを手にした観光客ばかりがぶらぶらと通りを散歩していた。それでも,道に張り出したバルコニー下の独創的で不思議な造形の彫刻は素晴らしく,本で薦められた通りニコラーチ通りをバルコニーと両側の建物間に除く空と雲を見上げながら一歩一歩坂を上っていると,18世紀に戻ったかのような錯覚に陥った。

 修復さえ終われば,ノートはさらに魅力的な町に生まれ変わることだろう。できることならその後もう1度訪れてみたい。修復は今年(2004年)中には終わるとどこかに書いてあったように思うが,訪れる際にはイタリア政府観光局などで確かめてからにするとよいだろう。もちろん修復中でも訪れる価値はある。ただ,個人的にはその場合,無理に旅程に組み入れたり,長居をする必要はないかもしれないと思う。

修復中のカテドラル

バルコニーの下の彫刻

バルコニーの下の彫刻

バルコニーのある坂

左上 修復中のカテドラル
右上 バルコニーの下の彫刻
左下 バルコニーの下の彫刻
右下 バルコニーの連なる狭い坂道

 ノートをあとにし,この日宿をとったシラクーサの町へ。ホテルはカーサ・ミーア(pop up window がばかばか開きますのでご注意)というB&Bを予約した。カーサ・ミーアは,ウンベルト通りというシラクーサのメインストリートに面した大きくて立派な建物の中にあった。建物の扉は大きいが,大きな扉は通常は開けず,一部に日頃出入りするためのドアが開いている。中に入るとエントランスがあり,大理石のステキな階段がある。踊り場の左右に各家の扉があって,昔はおそらく大金持ちがもっていた建物を数軒でシェアする構造になっているのだろう。中庭を囲むように数軒が入居している。カーサ・ミーアは最上階の3階。表通り側をオーナーの住居,屋上のポーチをはさんで裏通り側をB&Bにして運営している。かねてよりヨーロッパの大きな建物の内側はどうなっているのだろうと思っていたので,思いがけず内部を知ることができて嬉しかった。

 部屋はオーナー夫人の趣味なのだろう。かわいい花模様のカーテンやリネンで統一されていた。天井が高く広々としていた。部屋までの廊下も趣味よくコーディネートされている。B&Bの安い料金でこんなにステキな部屋に泊まれるとは思っていなかった。やはりお風呂はシャワーだけで,しばらく使うとすぐにお湯がぬるくなってしまう以外は完璧。そしてこの時,私たちは翌朝の感動をまだ知らなかった。

B&Bカーサ・ミーアの中庭空中回廊

B&Bカーサ・ミーアの中庭空中回廊 左手が客室 右手がオーナーの母屋へ

 さて,一休みしたあと散歩を兼ねて,夜のシラクサの町に出る。ウンベルト通りは比較的新しい町で,旧市街は海に突き出した半島側。

 ほかのシチリアの町と同様,細い石畳道の町だが,シチリア第三の町(現在第一はパレルモ,第二はカターニャ)だけあって都会的な洗練された印象の町である。クリスマスのイリュミネーションも奇麗だ。そして私はたちまちショー・ウインドウの虜になる。パレルモでは観光に忙しかったため気にならなかったのだが,狭い通りの左右に軒を並べる華やかなディスプレイのブティックやカバン屋さんに目は釘付け。プラダとか,フェラガモとか,高くて買えないに決まっている超有名ブランド店には近寄らなかったにも関わらず,普通の店でもとにかくオシャレ。さすがイタリア!と感嘆することしきり。

旧市街と新市街を結ぶ橋のイリュミネーション

シラクーサ 旧市街と新市街を結ぶ橋のイリュミネーション

 夕食は,ガイドブックに載っていた RISTORANTE LA MEDUSA というレストラン。ガイドブックの住所に行くと,廃虚のようになっていて,建物を囲むベニア板のすき間から除くと移転先の住所を読み取ることができた。「せっかくだから」とその住所にまわることにする。首尾よく店をみつけて席に着くと,「アメリカ人?」と給仕係。・・・は?・・・いや,アメリカは人種のるつぼだから,アジア系のアメリカ人もいることでしょう。しかし,長い長い人生の中で,夫も私もアメリカ人かと問われたのは初めて。流暢な英語を話したからでは100%ないし,なぜそう思われたかは永遠の謎だ。

 さすがに「毎日食べ過ぎ。しかも前菜,第一の皿,第二の皿とイタリア人並に食べている」と感じていたので,この日は前菜をパスして,第一の皿として魚貝のスパゲッティー,第二の皿として魚貝のスープを2人前ずつオーダー。そうしたら,第一の皿はムール貝のスパゲッティ(ソースはトマト味),第二の皿は,ムール貝とあさりとはまぐりの酒蒸しだった。選び方,ちょっと失敗・・・・。とはいえ,ベルギーあたりでムール貝三昧を決め込んだと思えば不満はなく,両方とも海の香りがして非常においしかった。

 お腹一杯でお腹にデザートが入る余地はなかっにもかかわらず,シェフに薦められてレモンのソルベを注文。レモンのリキュールが添えられた大人のソルベ。口の中がさっぱりした。

 私はまたもや左右のショー・ウインドウに気をとられながら歩き,ホテルに帰着。この日は曇天の中のロング・ドライブでふたりとも疲れていたので,ベットにもぐりこんでたちまち爆睡。


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